仮想通貨取引よりもお得なステーキングの基礎

Proof of Stake(PoS)市場の足かせとなる税金問題、IRSが暗号資産のステーキングをどう扱うか

2020年にProof of Stake(PoS)市場の拡大が期待されていますが、各国の税制がPoS市場のスケールを抑制している可能性があります。米国でビットコインや暗号資産の税務申告ソフトウェアを専門とするBearTaxのVamshi Vangapally CEOによると、PoS市場の拡大には、「IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)がステーキング報酬の税制を見直す必要がある」と指摘しました。5月1日、メディアforkastが伝えました。

成長するステーキングと税制

ステーキングはユーザーが報酬と引き換えに自分の資産をウォレットにロックし、ブロックチェーンの運用に貢献するシステムです。PoSを採用する暗号資産には、NEO、ステラ、オントロジー、VeChain、テゾスなどがあります。Binance、Coinbase、Krakenなどの取引所がステーキングサービスを提供しており、市場はますます拡大しています。

ステーキングが分散型金融の基盤に

ステーキングはまた、レンディングや借入、利付預金口座や予測市場などの分散型金融(DeFi)の基盤となっています。資産をロックして投資家に報酬を与え、ネットワークを強化します。Defiエコシステムには、現在10億ドルを超える暗号資産がロックされています。マイナス金利とインフレの時代に、5~6%の利回りを得るDe-Fiやステーキングが注目されています。

ステーキングもレンディングと同じ扱い

しかし、昨年10月に発行されたIRSのガイダンスに「ステーキング」は含まれていないため、レンディングで得られる利息と同様に処理されます。つまり、ステーキング報酬としてトークンがユーザーに発行された時点で22〜37%の所得税率が課されます。この場合、ステーキング報酬の年利が7〜10%を越えない限り、利益は税金で相殺されます。実質的にユーザーが利益を得ることは困難な状況になっています。

ステーキングにまつわる税制の今後の展望

Vangapally氏によると、現状ステーキングやレンディングに参加している人々のほとんどは、プロジェクトの初期段階で関与することを目的としたアーリーアダプターであるため、現時点で収入を得ることはさほど優先事項ではないかもしれません。こうした投資家は、プロトコルとアプリをテストすることを目的としています。

2020年3月にIRSはワシントンD.C.で暗号資産税に関するサミットを開催し、利害関係者との対話に努める意向を示しています。コロナウイルスのパンデミックにより、米国では確定申告の提出期限が3か月延長されて7月15日となりました。Vangapally氏によれば、運が良ければそれまでに「フォーク、エアドロップ、ステーキングによる取得分」に関して、IRSガイダンスが更新されるかもしれません。

参考 How IRS treats crypto staking: tax issues every crypto investor should knowforkast