投資家にイーサリアム(ETH)を預けるよう持ち掛ける「Ethereum 2.0 PoS Mining」サービスを訴求する詐欺サイトが存在しています。最低単位0.2 ETHから参加でき、年利100%の最低報酬を約束しています。
しかし、Ethereum 2.0アップグレードとPoS(プルーフ・オブ・ステイク)へのアルゴリズム変更は実際のところまだ実装されていません。
Ethereum 2.0 PoS pool
Ethereum 2.0のフェーズ0は2020年7月予定
PoSを導入すると、Ethereum 2.0のトークン保有者は「ステーキング」を介してネットワークの保護に参加でき、ステーキング報酬として新規発行コインを獲得できるようになります。現在のところEthereum 2.0のアップグレードの最初の工程「フェーズ0」は2020年7月に予定されていますが、延期となるケースも考えられます。
現在、イーサリアムのPoSを促すフェイクサイトは、5,701人のアクティブな「マイナー」による2,060.8 ETH(3,793万円相当)の“PoSパワー”を保有中と主張しています。
Ethereum 2.0の年利100%の罠
年利100%を約束していますが、この利率はEthereum2.0アップグレードが実現したとしても現実的ではありません。イーサリアム開発組織Consensysの製品開発者によると、ETH2.0の報酬率はステーキング参加者数に左右されますが、最大でも10.3%と算出されています。フェイクサイトは最小ステーク数量を0.2 ETHとしていますが、実際にEthereum 2.0のステーキングに参加するには、32 ETHをロックする必要があります。
「Ethereum 2.0 PoS pool」サイトは「Ethereum.org」の公式GitHubのリンクを貼ることで正当なプロジェクトとの関連性を装っています。また、実際のイーサリアム開発者の400 ETHを保有するウォレットアドレスを寄付提供先として掲示しています。
結局のところ、サイトは原始的な詐欺スキームに過ぎません。詐欺師はETHを直接盗み取るか、登録されたEメールと対応するパスワードを利用して、主要な仮想通貨取引サイトにアクセスしようと試みるかもしれません。
ステーキングの平均は19.39%
分析ツールStaking Rewardsによると、ステーキング・プロジェクトの平均年利は19.39%です(この数字には、年利40%を越えるLivepeerやSinthetix Netvなど、特殊なプロジェクトが含まれています)。日本ではある程度知られた仮想通貨リスク(LSK)でさえ、年利は1~2%です(Binance Staking)。
2019年には年利108%を約束する詐欺ウォレットPlustokenが20億ドル(約2200億円)相当のビットコインを集めたと報告されています。投資家の皆さまは、イーサリアムの今後のアップデートについて正確な情報をチェックするよう心掛けてください。
参考 Ethereum 2.0 scammers emerge before blockchain is even builtDecrypt