コストの高いPoWマイニング市場とは異なり、PoSステーキングは仮想通貨事業者にとって「新しいブルーオーシャン」と見なされています。現在Staking Rewardsに合計82の「ステーキングプロバイダー」が掲載されています。詳細に分析するため、そのうち12社のノードサービスプロバイダー、マイニングプール、ウォレット、仮想通貨取引所のビジネスモデルを見てみましょう。
中国メディアPA Newsによる、2020年3月5日時点の統計データをご報告します。
ステーキングサービスは「新しいブルーオーシャン」
ビジネス規模で見ればMy Cointainerが最大のステーキングプロバイダーです。合計44種類の暗号資産のステーキングサービスを提供しています。平均年利は40.74%で、他のプレイヤーを上回っています。
残りのプロバイダーの多くはステーキングビジネスとして10〜20の暗号資産を取り扱っています。そのうち取り扱い通貨が多く、平均年間収益率が高い事業者を見るとP2P Validatorは8資産で年利18.10%。Hash Quarkが18資産、年利16.23%、OKExPoolが8資産、平均年間収益率は15.85%です。
6か月前と比較して、多くのプロバイダーは事業規模を拡大しています。My Cointainerはステーキング資産を25種類から44種類に増やしました。Hash Quarkは10から18、Coboは6から14まで拡大しています。多くのサービスプロバイダーがステーキングの将来について楽観的であることを表しています。
ステーキング総量とサービスプロバイダー数
ところで、サービスプロバイダーのステーキング総量、つまりユーザーから獲得した資産はユーザーに提供されるステーキング報酬に直接比例していません。
以下の図は、ステーキング総量とサービスプロバイダー数が多いCosmos、IRIS、およびTezosの3つについて、投票加重が高いノードサービスを分布しています。
投票加重の高いプロバイダーは、必ずしもユーザーに高利率を提供するとは限りません。
(*投票加重:Staking Weighは各ウォレットのステーキング測定値であり、使用可能なステーキング残高と同様です)
Cosmos(ATOM)のステーキングを見ると、Huobi WalletとHashQuarkはEverstakeよりも投票加重が高いのですが、後者の方がユーザーに高報酬を提供します。
同様に、Tezos(XTZ)のステーキングはEverstakeの投票加重がstake.fishよりも高いのですが、後者がユーザーにより高いリターンを提供します。この状況はIRISでより明確です。HashQuarkの投票加重はstake.fishよりもはるかに高いのですが、後者の方がユーザーに高いリターンを提供します。
サービスプロバイダーの投票加重(Staking Weigh)がユーザーに提供するメリットに相関していないことがわかります。1つの要因は、収益がノードサービスプロバイダーのコストに関連しています。
ノードの委任投票がすべてユーザーからのものであり、サービスプロバイダーの持ち出し率が0の場合、純利益は比較的高く、その分報酬をユーザーに提供できます。
サービスプロバイダーの自己委任率が高い場合、コストは比較的高く、ユーザーに提供できる利益は影響を受けます。
別の要因は、ステーキングのメカニズムにより、ロックされたトークン数と検証作業の収益が直接関係しないためです。ステーキングされたトークン数は、あくまでも検証機会を得る「確率」と相関しています。
仮想通貨取引所がステーキング産業を拡大
過去1年間に、ステーキング市場に仮想通貨取引所が参入しました。取引所のステーキングには、資金フローが自然に「集まる場所」として利便性があります。現在はCoinbase・Kraken・Binance・Bitfinex・Coinone・Gate.io・OKEx・KuCoin・MXCがステーキングサービスを開始しています。
その中で、CoinbaseとKrakenは、Tezosのステーキング総額がそれぞれ5,070万XTZと2,861万XTZを超え、投票重量は約9.46%と4.66%となっています。BinanceはTezosの4番目に大きいノードとして2,464万XTZをステークし、投票重量は約4.01%です。
またBinanceはCosmosの5番手のノードであり9606万で、ATOMをステークし投票の重みは約4.96%です。EOSの上位6社のうち3つeoshuobipool・okcapitalbp1・bitfinexeos1は、それぞれ3.03%、2.97%、および2.95%の投票加重で、仮想通貨取引所に紐づいています。
取引所はすでに重要なポジションを占めています。
Binance.comより
仮想通貨取引所はまた、「レンディングサービスを併用することで、独自の流動性を活かして投票加重をヘッジする」というステーキングの新たな用法を開発しました。Binanceは、ステーキングを「ポジションリベート(持仓返利)」と呼んでおり、ステーキングコインのボリュームを獲得しています。
Kucoinの「Soft Stakeing」はステーブルコインDAIを取り扱っていますが、DAIは現時点でステーキングコインではありません。MXCでは、レバレッジ取引用のレンディングとステーキングの両方が「PoSマイニング」としてまとめられています。
ただし、こうした運用は常にカウンターパーティリスクがあることを覚えておきましょう。また、ポジションリベートに関して、取引所は「ネットワークの検証作業に参加している」ことを約束していません。つまり、プロジェクトのエコシステムに正当に参加したい投資家は別の方法を模索する必要があるかもしれません。
参考 交易所入场探寻边界,服务商质押额与提供的收益不成正比Staking的新格局