仮想通貨取引よりもお得なステーキングの基礎

2020年にステーキングネットワークが立ち上がる仮想通貨トップ10―Stakingrewardsリサーチ

レイヤー2プロトコルを含むほとんどの新しいブロックチェーンネットワークがProof of Stake(PoS)コンセンサスで設立されており、ステーキングが急速に成長しています。利回りと受動的所得への関心の高まりにより、PoSベースの資産はより大きなマクロトレンドとなっています。

現在、市場には70を超えるPoSネットワークがあり、その数は増え続けています。

この記事では、Stakingrewardsリサーチが選出した「2020年ローンチ予定の重要なProof of Stakeネットワークのトップ10」をご紹介します。

1位.ポルカドット(Polkadot: DOT)

ポルカドットプロジェクトはWeb 3 Foundationの支援によって合計2億3,000万ドルを調達し、エコシステムを構築しています。

ポルカドットは、「ノミネートされたプルーフオブステーク(NPoS)」を採用するマルチチェーン対応技術です。ポルカドットのビジョンは、アセットレベルとスマートコントラクトレベルの両方でブロックチェーンの相互運用性を実現します。

NPoSスキームは選出されたすべてのバリデーターに平等に報酬を分配することで、高度な分散性と均等なステークと投票権の分配を確保します。ブロック報酬は2段階に分かれており、最初に各バリデータープールの仕事に対してDOTが均等に支払われます。
バリデーターへの支払いが差し引かれた後、残りの報酬がバリデーターと委任者を含むすべてのステイカーにロックアップ量に比例して分配されます(バリデーターには2回の報酬が付与される)。

2019年8月に開設されたKusamaネットワークは、公式な「ポルカドット・テストネット」です。KSM保有者(1 DOT=1 KSM)にステーキングのインセンティブを与え、報酬を付与します。

2位.カルダノ(Cardano: ADA)

カルダノはステーキング市場で待望の大型ネットワークです。ウロボロスコンセンサスメカニズムによって管理されるPoSブロックチェーンは、2020年第2四半期に稼働予定です。

カルダノは学術的なアプローチに基づいて開発されており、一流の学者とエンジニアのグローバルチームによって設計・構築されています。

また、カルダノは最近350を超えるアクティブなステークプールを備えたインセンティブテストネット「シェリー」をローンチしました。

3位.セロ(Celo)

セロはまだあまり多くの人が気づいていない大型プロジェクトです。価格が安定した仮想通貨(ステーブルコイン)のブロックチェーンとされ、携帯電話を持っているすべての人が便利に利用できるペイメントアプリを提供することで金融包摂を目指しています。

このプロジェクトは、Facebook、Airbnb、Twitterなどに初期段階から投資してきたa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)やTwitterやSquareのCEOジャック・ドーシー氏も支援しており、2019年に2,500万ドルを調達しています。

現在バリデーターはインセンティブ化されたテストネット「The Great Celo Stake Off」に参加し、手数料支払いや価格安定化メカニズム、ガバナンスに利用するリザーブ通貨「Celo Gold」を発行し、200万ドル相当の報酬を獲得しています。

4.クリプトドットコムチェーン(Crypto.com Chain:CRO)

Crypto.comは、Visaカードに接続されたウォレットを提供しており、世界中どこでもリアルタイムの為替レートで仮想通貨を取引できます。

消費者と販売店との仮想通貨の即時決済トランザクションを実現するパブリックブロックチェーンCrypto.comチェーンを開発しています。

評議会ノード(バリデーター)は、決済の実行、注文の処理、取引の承認、エスクローサービスを提供し、年間報酬は最大18%に設定されています。

5位. マティックネットワーク(Matic)

マティックネットワークは、イーサリアム・ブロックチェーンのレイヤー2スケーリングソリューションです。

ブロックプロデューサーはレイヤー2チェーン上のトランザクションを1秒間隔で承認し、バリデーターはブロックプロデューサーからハッシュ(暗号)化されたブロックを受け取り、5分(256ブロック)毎にイーサリアムメインチェーンに送信します。

マティックネットワークは現在、賞金合計300万MATICトークン(約45,000ドル)とするインセンティブテストネットを実行しています。

6. テレグラム(Telegram Open Network:TON)

メッセージングプラットフォームTelegramのICOは、2017年に20億ドルを調達しました。

シャーディングブロックチェーンを採用しているTONのProof of Stakeは、ビザンチンフォールトトレランス(BFT)の亜種を通じて合意形成に達します。利害関係者は以下のように構成されます。

  • バリデーター:取引を検証しインフレ報酬を獲得する
  • フィッシャーマン(漁師):バリデーターをクロスチェックして、不正な動作をするバリデーターのスラッシュ(懲罰)トークンを受け取ります
  • ノミネーター(デリゲーター):バリデーターに資本を提供し、インフレ報酬の一部を受け取ります
  • コレーター:シャードチェーンブロック候補者を選択して、インフレ報酬の一部を受け取る

チームは秘密裏に作業しており、ブロックチェーンの設計や立ち上げに関する詳細は正式にはまだ明らかにされていません。

7. NEARプロトコル

NEARプロトコルは分散型アプリケーションを構築するための最も開発者に優しいブロックチェーンとされています。シャーディング実装によりスケーラブルで低コストであり、アプリケーションのコストが予測可能であり、メタトランザクション、コントラクトベースのアカウント、ガスフィーの払い戻しなど通常は後から追加されるツールをプロトコルレベルで開発者に提供します。
使用コストはNEARと呼ばれるネイティブトークンで支払われます。

NEARのProof of Stakeメカニズムで年間報酬は最初に5%に設定され、その後のインフレ率はネットワーク報酬(取引手数料)の総量に基づいて動的に調整されます。

NEARは現在、インセンティブテストネットプログラム「Stake Wars」を実行しています。参加者には最初のメインネットトークンの1%が供与されます。

8位.ソラナ(Solana:SOL)

ソラナは、pBFT(ビザンチンフォールトトレランスの一種)のコンセンサスメカニズムを備えたレイヤー1のブロックチェーンであり、50,000 TPSをサポートします。
これほどのスケーラビリティは、コンセンサスメカニズム「Proof-of-History」と検証作業のマルチスレッド(並列処理)によって実現します。

Proof-of-Historyはネットワークがコンセンサスに達するプロセスを大幅に合理化し、ブロックチェーンをネイティブにスケーラブルにします。他のブロックチェーンでは、時間が経過したことに同意するためにバリデーターが相互に通信する必要があります。
しかしソラナのバリデーターは、単純なSHA-256に検証可能遅延関数(VDF)を付加して時間の経過をエンコードすることにより、独自のクロックを維持します。特定の瞬間にイベントが発生したことを証明する履歴レコードを作成できます。

ソラナは現在、独自のインセンティブテストネットコンテスト「Tour de Sol」を実行しています。

9.アヴァ(Ava)

アヴァは確率論的な安全性保証を備えた「アバランチ(Avalanche)」コンセンサスを使用する最初のスマートコントラクトプラットフォームです。

アバランチは各ノードが相互に通信する際に生じるスケーラビリティ問題に対処します。新しいブロックはランダムに複数ノードにブロードキャストされ、ノードのネットワーク全体が相互に並行してコンセンサスに達します。ノード通信を効率化し、1秒あたりのトランザクションを高め、1-2秒のファイナリティを実現します。

サブネットワーク機能の最初の概念実証として、2019年10月にイーサリアムブロックチェーンの完全なコピー「Athereum」が立ち上げられました。

10.イーサリアム(Ethereum: ETH)

Proof of WorkからProof of Stakeへの切り替えは、2014年からイーサリアのロードマップ上にありました。Ethereum2.0は、2020年にProof of Stakeコンセンサスメカニズム「Casper」とともに開始される予定です。

ユーザーは優れたスケーラビリティを持つPoSチェーン「Ethereum2.0」に移行できますが、トークンを古いProof of Workチェーンに戻すことはできません。イーサリアムからPoSへの移行は2020年の重大イベントの1つであり、ステーキング業界はますます大衆の注目を集めるでしょう。

イーサリアムのバリデーターは、少なくとも32 ETHを保持する必要があり、現在の価格では約3,200ドルと算出できます。

その他

この他にも2020年にローンチ予定となる注目度の高いPoSネットワークには、ハーモニー(Harmoney:One)、エルロンド(Elrond:ERD)、エニグマ(Enigma:ENG)、シータ(Theta)、ディフィニティ(Dfinity:DFN)、Codaプロトコル、Skale Labs、NuCypher、フォーム(FOAM)、パーシスタンス(Persistence)が挙げられています。

参照は以下

参考 Top 10 Proof of Stake Networks launching in 2020Staking Rewards