PoSを採用するDecred(DCR)ブロックチェーンは、そのオンチェーン活動がDCRトークン価格のトレンドを示唆する傾向がある。この記事はオンチェーンアナリストCheckmateがキュレーションマガジンOur Networkに寄稿したものを参考にしています。
発行済みコインとトークン単価の掛け算により算出される「時価総額(Market Cap)」に対し、「実勢キャップ(Realised Cap)」は発行済みコインの『ブロックチェーン上で最後に動いた時点の市場価値』の合計を表す指標です。
CheckmateによるとPoSを採用するDCRの場合、実勢キャップと時価総額の動向はスポット価格のトレンドに密接に影響しています。
下のグラフは、時価総額(黒)と実勢キャップ(青)の勾配の28日間平均を表し、それらの差(紫)からオシレーターを作成したものです。
これは取引所のスポット価格が反転してからオンチェーン指標が反応するまでの時間を示しています。DCRのステーキングは、DCRトークンに1:1で紐づけられる「チケット」が投票機能を担い、DCRトークン自体は移動に時間がかかるコールドウォレットに保持されます。
ステーキング参加者はDCRを動かすのにオンチェーン署名が必要であり、バッファが生じます。オシレーターがゼロレベルを越えて「フリップ(逆転)」が起こると、その方向にスポット価格の勢いが加速しています。
この洞察はロックアップを設定する多くのステーキングコインにも当てはまる可能性があります。勾配の差のフリップがトレンドの終了を示唆する場合、利確やエントリーポイントとして機能する可能性があります。
実勢キャップ(Realised Cap)はCoinmetricsで取得でき、TezosやDashなどPoSを採用する複数のブロックチェーンが追跡されています。
参考 Issue #21Our Network