2017年4月にICOを実施し、当時約1680万ドルを調達しこれまで開発が進められてきたCOSMOS。
2018年2月にメインネット公開し、さらに注目を浴びるようになった仮想通貨ですがその実態はどのようなものなのでしょうか。
当記事ではそんなCOSMOSについて押さえておいて欲しい点をまとめました。
COSMOSの基本情報
運営会社 | All In Bits, Inc.(旧Tendermint:テンダーミント) |
通貨名称 | COSMOS(コスモス) |
通貨単位 | ATOM |
WEBサイト | https://cosmos.network/ |
ホワイトペーパー | https://cosmos.network/resources/whitepaper |
COSMOSとは韓国企業Tendermint Inc.が開発した仮想通貨のことです。
通貨単位はATOMという表記を使用しており、ブロック生成スピードが約3秒といわれており高速処理を実現しております。
2017年4月6日に実施したICOでは、30秒で約18億円もの資金調達を成功させたことで一躍有名になりました。
COSOMOSが実現しようとしているVISIONは
異なる複数のブロックチェーンネットワークを相互に互換性を持たせること
数多にあるブロックチェーンサービスを一元して管理できるサービスの構築を目指しています。
COSMOSの特徴
COSOMOSは以下の仕組みで主に構築されています。
- Tendermint Core
- COSOMOSネットワーク
- COSOMOS SDK
Tendermint Core
ブロックチェーンを用いてネットワークへの参加者が増えると遅延や手数料の増加など様々な問題が起こるということが課題になっています。
そのような問題に対して、Tendermintは高速なトランザクション処理の実現を可能にする解決策の1つです。
分散化されたネットワークにおける不正を阻止するためのソフトウェアのTendermintはブロックチェーンネットワークの拡張のための分散型アプリケーションの開発を容易にするることを目指しています。
Tendermintを利用し、いくつかのブロックチェーンのネットワークを構築することで巨大なエコシステムを作り上げるプロジェクトも進められています。
これこそがCOSMOSなのです。
実はイーサリアムのように、ブロックチェーン上で分散型アプリケーション(Dapps)が開発できるプロジェクトは多数存在しますが、ブロックチェーンの設計自体は非常に難解です。
難しい理由はブロックチェーンを構成するために
「Networking / Consensus / Application」という3つのレイヤーが必要であり、NetworkingとConsensusの開発には特殊な言語や知識を要するからです。
特徴①:分散型アプリケーションを簡単に開発できるようにする
Tedermint Coreは上記の3つのうち、NetworkingとConsensusの開発部分を簡易化したもので、
ABCI(Application Blockchain Interface)と呼ばれるプロトコルでApplicationレイヤーへ繋がっています。
そのため、Applicationレイヤーを通じてJava, C++, Goなどの簡単な言語で、ブロックチェーンの設計からアプリ開発までを行うことができるのです。
特徴②:トランザクションの処理能力が早い
Tendermint Coreはコンセンサスアルゴリズムに、PoS(Proof of Stake)を採用しています。
PoSはビットコインやイーサリアムなどが導入しているPoWよりも処理速度が速いといわれているため、トランザクションより速度が速いと言われています。
実際、Tendermint Coreの処理速度は1ブロックを生成するに当たり約3秒であるに対し、
ビットコインは同じことをするのに約10分を要します。
そのため、トランザクション処理の速度も上がるというわけです。
COSOMOSネットワーク
COSMOSのネットワークは、2種類の「COSMOS Zone」と「COSMOS Hub」で構成されています。
COSMOS Zoneは、ビットコインやイーサリアムといった異なる仮想通貨のブロックチェーンのことで、COSMOS Hubが上記とは異なるブロックチェーン(Zone)を繋ぐ仕組みになっています。
従来は異なるブロックチェーン同士は互換性がないため仮想通貨交換業などの第三者を挟んで取引をする必要でしたが、COSMOSネットワークを利用することで各トークンやデータのやり取りをすることが可能となりました。
このようにハブ・ゾーンともにブロックチェーンで繋がりあい、COSMOSのサービス全体として大きなブロックチェーンシステムとなっているのがCOSMOSネットワークの特徴です。
では、COSMOSネットワークがあるとどのようなことが可能になるのでしょうか?
実現可能性高いもの①:トークンの交換
ビットコインからイーサリアムへの両替などは現在でも既存の取引所を介せば行うことができます。
しかしマウントゴックス事件のような例もあるように、中央集権的な取引所には不正行為や悪意を持った攻撃などのリスクを抱えています。
しかしCOSMOSネットワークでは分散型のシステムをブロックチェーンを用いてつないでいるため、従来よりも安全なトークンの移動が可能になります。
つまり、より安全にトークンどうしの交換がCOSMOSネットワーク内では行えるというわけです。
この技術を応用すれば中央集権的な既存の取引所とは異なる、分散型の取引所が実現するかもしれません。
実現可能性高いもの②:トランザクションの匿名化
『イーサリアムゾーンとZcashゾーンをハブに接続し、スマートコントラクトでトークンを扱い、同時にZcashゾーンを通すことでトランザクションを匿名化することができる』とAll In Bitsを設立したJae Kwon氏はCosmos発表当時のBitcoin Magazineのインタビュー記事で述べています。
参考 Tendermint Wins Innovation Award and Announces Cosmos at International Blockchain WeekBitcoin MagazinePhotonトークン
PhotonトークンとはCOSMOSネットワークで使用されるトークンの一つで、取引時に発生する手数料として使用します。
ATOMトークンと使用方法を差別化をすることで第三者からの悪意ある攻撃を受けにくくする効果があり、セキュアな環境を構築しています。
COSOMOS SDK
COSOMOS SDKはPoSチェーンを構築するためのオープンソースフレームワークであり、COSOMOS SDKを用いて作られたチェーンは「アプリ専用チェーン」と呼ばれています。
COSOMOS SDKは分散型アプリ(Dapps)を構築するための基本機能(モジュール)を提供しているため、1から開発をすることなく簡単に独自の分散型アプリを構築することができるのが特徴です。
基本機能以外にもコマンドラインツールやRESTサーバー等、開発に必要な基本的なライブラリーを含んでいるため、より簡単に分散型アプリを構築することができます。
アプリ専用チェーンとは?
アプリ専用チェーンとはブロックチェーンの世界でのアプリケーションを運用するために開発された、特定のアプリケーション専用にカスタマイズされた専用のブロックチェーンのことです。
従来の制限された柔軟性や管理性を伴わずにすぐれた統治性やセキュリティ、パフォーマンスを発揮することができるのが特徴です。
COSOMOS SDKを使用する理由
- 最も成熟したコンセンサスエンジンだから
- モジュール単位での構築が可能だから
- 安全な環境
COSOMOSのまとめ
COSMOSとはどういうものなのか、COSMOSのメリットなどは分かっていただけたでしょうか?
- ブロック生成速度が速い
→トランザクション処理が速い - 独自のブロックチェーンネットワーク
- 匿名性、安全性が高い
これからの発展に大いに期待することができるCOSMOS。もう目が離せませんね!