みなさんはBAT(Basic Attention Token)という通貨をご存じでしょうか。
BATは、Webブラウザ「Brave」に係る通貨です。Braveブラウザは、BATチームによって作成されたオープンソースのWebブラウザで誰でも利用することができます。
Braveはブラウザ上で特定の広告を閲覧したり、閲覧したユーザーが自分の情報をBrave側に提供することでユーザーがBATを受け取ることができる、従来のwebブラウザとは一線を画した新しいサービスを提供しています。
この「Brave」が提供する通貨BATは2020年3月にGMOコイン、4月にはBitFlyerで相次いで取り扱いが開始され、日本でも知名度が高くなりつつあります。
Braveの基本情報
運営会社 | Brave社 |
通貨名称 | BAT |
通貨単位 | BAT |
WEBサイト | https://basicattentiontoken.org/ja/ |
ホワイトペーパー | https://basicattentiontoken.org/BasicAttentionTokenWhitePaper-4.pdf |
まずはBraveとは一体何なのかを解説していきましょう。
Braveは、JavaScriptの開発者であり、Firefox Browserの創設者でもあるBrendan Eichによって設立されたWebブラウザです。 Braveには広告ブロッカー(以下アドブロック)機能が組み込まれており、モバイルのChromeおよびSafariの2〜8倍、デスクトップのChromeの2倍の速度でサイトを読み込みます。また、BraveはEthereumブロックチェーンを基盤としてデジタル広告取引を行っています。
Brave BrowserとBATが革新的な理由
Braveは以下の3つです。
- 安全に高速なネットサーフィンができる
- ネットサーフィンするだけでBATがもらえる
- 制作側はマーケティングがしやすい
Braveブラウザで安全に高速なネットサーフィンができるわけ
Braveは切り替え可能な高性能なアドブロック機能をデフォルト搭載しています。このアドブロック機能は侵入型の広告とトラッカーを自動的にブロックしています。従来の広告はモバイルデータを広告やトラッカーに利用していたことでウェブサイトの速度を低下させ、バッテリーの寿命を減らしていました。
こうした広告やトラッカーをBraveの場合は全てブロックすることができます。これにより膨大な広告やトラッカーの読み込み時間を省略することができ、高速ブラウジングを可能にしています。
同時にスパム広告などマルウェアによる危険を排除しています。そのため安全かつ高速なブラウジングが可能になります。
スパム・詐欺広告をなくすことでサイト運営者や広告主もより多くの利益を享受することができ、マーケティングに有益な情報を手に入れることができます。そのためサイト運営者・広告主は正確なターゲティングができます。
ユーザー・広告主・サイト運営者の3者の利益を最大化しているブラウザがBraveなのです。
なんでインセンティブ(BAT)もらえるの?
Braveブラウザではオプションで広告を表示することができます。そして広告の表示を許可した場合、Braveの審査を通過した限られた広告だけが表示され、閲覧したウェブ広告の広告料の一部がユーザーとサイト運営者に分配されます。
またBraveブラウザはバックグラウンドの台帳システムを使用して、ユーザーが時間を費やしているサイトとコンテンツを匿名で追跡し、それに応じてサイト運営者に支払いを行っています。ブラウザは常にユーザーの注意度を測定していますが、この情報は完全に匿名であり、個人情報がデバイスから流出することはないので心配ありません。
Braveを利用することでGoogleやFacebookなどの仲介者を省くことができるため、無駄に仲介手数料を支払う必要がなくなります。GoogleとFacebookがデジタル広告業界の総収益の73%を得ています。それらを省くことでサイト運営側だけでなく、広告料の一部をユーザーが直接受け取ることができるわけです。
Braveの広告:https://basicattentiontoken.org/ja/
制作側はマーケティングがしやすい
BraveにはBATを使った「投げ銭機能」があります。投げ銭機能を用いることでユーザーは気に入った動画やwebコンテンツにBATを付与することができます。
この機能によって本当にユーザーが評価するものを知ることができ、制作側はコンテンツ作成においてのヒントを受け取ることができます。一部の理由で動画の収益化をしていないYouTubeクリエイターなどにとってこの投げ銭は嬉しい機能とも言えるでしょう。
Brave BrowserとBATのまとめ
今までの広告業界では
・ユーザー:モバイルデータが消費されバッテリーの悪化、トラッカーによるプライバシーの侵害
・広告主:詐欺サイトに騙される、ユーザーの情報がなくターゲティングがしにくい
・サイト運営側:付加価値サービスをスムーズに収益化できていない
という、3者へのマイナスな影響がありました。
しかし、Braveはこれらの課題をEtherumプラットフォームを利用して、Braveはユーザー、広告主、サイト運営側(パブリッシャー)3者の利益を最大化した革新的なブラウザと言えるでしょう。
ちなみに約半年の間iPhoneのブラウザをBraveにして利用した結果、延べ115000の広告をブロックし、29.0のBATポイントを貯めることができました。