「State of Stake(ステーキング市場動向)」は、ブロックチェーンファンドであるParadigmが隔週で配信しているProof-of-Stake(PoS)エコシステムのキュレーションレポートです。マスターノードコイン、配当トークン、DeFiレンディングプロトコルもカバーしています。この記事では、5月2日~16日の開発をまとめた第20号の要点(後編)をご紹介します。
2020年以降の動向
引用:Staking Rewards
現在、2020年内にローンチ予定のPoSネットワークは20以上確認されています。さらにICO Analyticsは、今夏のブロックチェーンプロジェクト毎の重要な開発マイルストーンをまとめています。*5月28日時点に、THETA、BAND、DOT(すべてPoS通貨)のメインネットがローンチされ、THETAとBANDはトークン価格が2ケタ~急騰しています。
◆スマートコントラクトプラットフォームのローンチ見通し
上記画像は大型の資金調達を行ったスマートコントラクトチェーン(PoS採用)のリストです。「イーサリアムフレンズ」として注目されています。TelegramのブロックチェーンTONは米SECとの証券問題が解決されず、5月12日に正式にプロジェクト計画が中止となりました。
◆Maticメインネットの稼働間近
引用:messari.io
Matic Networkはセカンドレイヤーソリューションです。ハイブリッドPoSとプラズマ対応のサイドチェーンの組み合わせが特徴で、高速で安価なトランザクションを可能にします。
一般ユーザーが参加できるステーキングテストイベント「Counter Stake」は、3つのステージで構成されており、現在は最終段階(ステージ2)が開始され、テストネット「CS-2006」が100本のバリデーターに管理され、ストレステストが実行されています。既に3週間が経過しており、ステージ2の後半に問題が見つかった場合は、初期制限付のメインネットをアップグレードすることで対処します。
◆NEARプロトコルがMainNet Genesisをローンチ
NEARプロトコルは、限定ノードに維持されるPoA版としてメインネットがローンチしました。NEARプロトコルは、分散型アプリケーションを構築するための最も開発者に優しいブロックチェーンとされています。ネットワークを区分けしてトランザクションを並列処理する「シャーディング」実装により、スケーラブルで低コストに設計されています。
PoAリリースはマルチフェーズロールアウトの最初のステップであり、ホワイトリスト・バリデーターが参加するためのアップデート「フェーズ1」を今夏に予定しています。最終的に「フェーズ2」でオープン化される計画です。4月にNEARは、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のクリプトファンドが率いた投資ラウンドで約2160万ドルを調達したことを発表しました。
◆Kyber Networkのステーキング(委任)の導入
Kyberは「Delegated Token Staking」を導入する予定です。シンガポールのSaaSプロバイダーStakeWith.USとの提携により、ガバナンス体制を強化し、ステークスホルダーやコミュニティに「より大きな柔軟性をもたらす」と期待されています。
2020年6月のネットワークアップグレード「Katalyst」が完了すると、ネイティブトークンKyber Network Crystal(KNC)の保有者は、トークンと投票権をStakeWith.USのステーキングプールATLASに委任できます。
◆KEEPステーキングがスタート
2020年6月8日のテスト期間「パブリックステークドロップ」により、イーサリアム(ETH)保有者は6か月間Keepネットワークのステーキングに参加することでKEEPトークンを取得できます。KEEP Networkは、イーサリアムブロックチェーンとプライベートデータの橋渡しをするオフチェーンコンテナーとして機能します。
ステーキング市場2020年以降の動向まとめ
今後も多くの企業が参画を考えて動いているステーキング市場。
2020年も始まってはや半年が経とうとしていますが、これからの動向に目が離せませんね。
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