仮想通貨取引よりもお得なステーキングの基礎

機関化するステーキング市場「クリプトヘッジファンドの42%がステーキングを導入」PwC年次報告

PwCが発表した共同レポート『2020 crypto hedge fund report』により、クリプトヘッジファンドの42%がステーキングを行っていることがわかりました。市場の機関化が進む中、ステーキング市場に資金が流れている一つの裏付けとなっています。専門家によると、仮想通貨Tezosについて投資環境が整っています。

クリプトヘッジファンドの42%がステーキングを実施

Elwood Asset Managementが2020年第1四半期に150のクリプトヘッジファンドを対象に実施した調査によると、クリプトヘッジファンドの42%が投資外活動としてステーキングを実施しています。

ステーキングは新しい市場の技術

PwCは、ステーキングが従来の資本市場にはないクリプト市場ならではの特徴と説明しています。「ステーキング、ベイキング、デリゲーティング、マスターノードの運用はそれぞれ収穫量ベースの戦略であると同時に、ネットワークの全体的な安定性と堅牢性に貢献する」。
仮想通貨プロジェクトは、それぞれ特定のソフトウェア要件を設けています。そのため、クリプトファンドの多くが、技術に精通した専門家から情報を収集するために、最高技術責任者(CTO)を設置する傾向があります。

急成長中のテゾス

クリプトヘッジファンドの参入により、恩恵を受けているステーキング通貨の一つがTezosかもしれません。ビットコイン価格は年初来で約30%上昇していますが、Tezosは年初来で85%増加しており、時価総額で10位にランクしています。市場分析会社Quantum Economicsの創設者であるマティ・グリーンスパン氏は、供給量の多くがステーキングに回され、市場から取り除かれるように構成された「トークノミクス」がTezosの高騰の要因だと、5月15日付のフォーブスに対して語っています。

テゾスが成長している理由は?

BitBull Capital.の最高経営責任者であるジョー・ディパスクアーレ氏によると、「ビットコインの価格が高く評価されると、他の高品質なプロジェクトの市場を引き上げる」傾向があります。過去数カ月間にTezosのステーキング機能を導入する仮想通貨取引所が増加しましたが、ディパスクアーレ氏は仮想通貨取引所Binance USが、「(Tezosの)価格にプラス要因」になったと語っています。Binance USは現在3通貨(Tezos、Cosmos、Algorand)のステーキングをサポートしており、それぞれ年利6-7%、6-9%、8-10%と設定しています。

PwCのレポートによると、クリプトヘッジファンドのデイリー取引活動の割合で、テゾスは8位に位置づけられています。

今後の仮想通貨ヘッジファンドは?

過去12か月間に規制の明確化や、カストディアンの普及が進み、仮想通貨市場はますます機関化されています。PwCは仮想通貨ヘッジファンドの管理資産(AUM)は2019年に2倍になり、世界で20億米ドルを超えたと試算しています。

ファンドの平均規模も大幅に増加し、2,000万ドル以上を管理するファンドの割合は19%から35%に増加しました。PwCは、「この分野への参入を検討している多くの機関投資家にとってエントリーポイント」になるとして、今後数年間にクリプトヘッジファンド業界が大幅に成長すると予測しています。

参考 2020 crypto hedge fund report